この小説の続きを探しています。
☆☆☆
人波をかき分けて黒尽くめの人間を探してみても、結局見つけることができなかった。
香と慶太は交差点から近い公園のベンチに座ってため息を吐き出した。
「見失っちゃったね」
「あぁ。でも、本当に見たんだ」
慶太の言葉に香は曖昧にうなづく。
スマホ画面にはベンチに座ってうなだれる慶太の姿が写っていた。
「これからどうする?」
質問しながら空を見上げると、黒い雲が頭上を覆い尽くそうとしていた。
さっきまで出ていた日差しはもうすぐ消えてしまいそうだ。
雨か、もしくは雪が降るかもしれない。
香が肌寒さにブルリと震える。
「堀田千穂の家も調べたんだ。細川正美と同じ学校だから、それほど遠くない」
慶太はそう答えながらも目はどこかうつろだった。
この寒空の下行方不明のことを嗅ぎ回って、本当に自分は助かることができるのか?
無意味なことをしているのではないかという疑問が浮かんできているようだ。
「いいけど、今回も嘘をつくの?」
人波をかき分けて黒尽くめの人間を探してみても、結局見つけることができなかった。
香と慶太は交差点から近い公園のベンチに座ってため息を吐き出した。
「見失っちゃったね」
「あぁ。でも、本当に見たんだ」
慶太の言葉に香は曖昧にうなづく。
スマホ画面にはベンチに座ってうなだれる慶太の姿が写っていた。
「これからどうする?」
質問しながら空を見上げると、黒い雲が頭上を覆い尽くそうとしていた。
さっきまで出ていた日差しはもうすぐ消えてしまいそうだ。
雨か、もしくは雪が降るかもしれない。
香が肌寒さにブルリと震える。
「堀田千穂の家も調べたんだ。細川正美と同じ学校だから、それほど遠くない」
慶太はそう答えながらも目はどこかうつろだった。
この寒空の下行方不明のことを嗅ぎ回って、本当に自分は助かることができるのか?
無意味なことをしているのではないかという疑問が浮かんできているようだ。
「いいけど、今回も嘘をつくの?」