この小説の続きを探しています。
裏情報を取り扱っているような危険なサイトでも、無償で教えてくれるはずがなかった。

しばらくその場で粘っていた慶太だけれど、10分ほどたって舌打ちと共にスマホをポケットにしまった。

「仕方ないよ。マンションじゃさっきみたいには行かないって」
寒さも勢いを増してきた。

早めに帰ろうと伝えようとしたときだった。
ひとりの女性が買い物袋をもって近づいてきたのだ。

マンション前に立っているふたりの姿を怪訝そうに見つめて立ち止まる。
「ここになにか用事?」

明らかに警戒している様子で声をかけられて香はたじろいだ。

だけど慶太は笑顔を作って「友達と約束してたんですけど、まだ部屋に帰ってないみたいで」と嘘を答えた。

女性はまだ怪訝そうな顔をしていたけれど、「そう」と一言いうと暗証番号を打ち込んで中へ入っていってしまった。
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