この小説の続きを探しています。
☆☆☆

その日の放課後、正美はリナと共に学校を出て途中までは一緒に帰った。
「じゃあ、また明日ね!」
家の方角が違うから、リナとは途中で別れてひとりになる。

それも日常的なことだったけれど、今日はひとりになった途端なんとなく心細さを感じた。

きっとリナからあんな話を聞いてしまったからだ。
今日も正美はひとりであの交差点を通らないといけない。

そう思うと少しだけ気分が沈んでしまう。
「もう、余計な話ばっかりするんだから」

ブツブツと文句を言いながら歩いていると、あっという間に問題の交差点に差し掛かってしまった。

車も人も行き交っていて、とてもにぎやかだ。
その光景を見ると少しだけ安堵感が胸に人がっていく。

ほらね。
やっぱりあんなのただの噂話。
もしくはリナちゃんが嘘をついたんだ。

心の中でそう思い、赤信号の横断歩道の前で立ち止まった。
ここは車通りが多いから信号が青に変わるまで少し時間がかかる。
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