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☆☆☆

新幹線での揺れは大したことなかったけれど、その後乗り換えた津山線の揺れには疲弊してしまった。

汽車とは聞いていたけれど、左右の揺れは想像以上に大きくてだんだんお尻がいたくなってきてしまった。

「ここが津山?」
汽車から下りて駅のホームに降り立つと、岡山駅で感じたよりもまた一弾と寒さを増していた。

肌に突き刺してくるような空気の冷たさ。
息を吸い込んだときに肺が悲鳴を上げて咳き込んでしまうほどの冷気。

「西羽咲って人、結構寒い場所で育ったんだね」
「だな」
慶太は短く答えてマフラーを首に巻き、駅の階段を下っていく。

狭い通路を抜けて改札を出ると、真っ先に見えたのは蒸気機関車の展示物だった。
本物の蒸気機関車の先頭部分が駅の真ん前に置かれている。

蒸気機関車の足元には短い線路がひかれていて、好きな人にはたまらい光景だろうというとがわかった。
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