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香はおもわずスマホをかまえて無関係な動画を撮影し始めていた。

駅を出て右手に歩くと津山出身のアーティストの写真が飾られていたり、城下町らしい看板も見える。

「今度はちゃんとした観光で来てみたいな」
「そうだな。結構面白そうな街だな」

城跡や古い町並み、その中に現代で活躍する芸人さんや俳優たちを排出した新しさも感じられる。

本来の目的を忘れてしばらく歩いて行くと、駅から5分くらいの場所に【西羽咲 花月記念館】という文字を見つけた。

それは雑居ビルの一階にあり、両隣の建物にはシャッターが下りていた。
「ここ?」
唐突に現れた目的地に香が困惑した声をあげる。

思った以上に小さな会場で、人の気配もしない。
「たぶん、ここで合ってると思う」
スマホで記念館の場所を調べている慶太も自信がなさそうな表情だ。
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