この小説の続きを探しています。
「とくに最近はモキュメンタリーというジャンルを勉強することにハマっててね。知ってるかな?」

「ごめんなさい。わかりません」
慶太が素直に告げると、男性はようやく背筋を伸ばして説明し始めた。

「モキュメンタリーっていうのは、ドキュメンタリーのようにフィクション作品を作ること。フェイクドキュメンタリーとも呼ばれてて、そっちの方が理解しやすいかな?」

「それ、私聞いたことあります! すごく流行ってて色々な作品が出てますよね」
香が礼を上げた作品は怖い家だった。
家の間取りを取り上げてその家で起きていた惨劇を推理する小説。

それは現実に起きたかのように書かれているが、実際にはそんな家は存在しないし事件も起きていない。

だが、本当に起きたかのように書くことで、読者の没入感は増していく。

「そうなんだ。この作品もいわばモキュメンタリーなんだと思う。それが現実となってしまって、ドキュメンタリーになってる」
「よく、わかりません」
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