悪役令嬢を期待されたので完璧にやり遂げます！

「わ、私が身分が低いからって……あんな悪口、あんまりですわぁ～！」
「どこにいるマリアンヌ！　隠れても無駄だぞ！　お前が陰口を叩くような醜い女だったとはな！」

ヒステリックに泣き叫ぶロザリーと、いまだマリアンヌを探し続け、大声で喚いているジャルダンの声が聞こえてきた。
全く諦めが悪い二人である。

どうやらジャルダン様とロザリーはまだあの教室で騒いでいるみたいね。
ここからはまだ距離もあるというのにすごい声量だこと。

「あの声はジャルダン殿下では？　何かあったのでしょうか」
「わたくしの名前を呼んでいらっしゃるみたいですわね。確認してまいりますわ」
「では僕も一緒に。ただごとではない雰囲気ですし、あなたの身が心配ですから」
「まあ、ありがとうございます。ぜひお願いいたしますわ」

マリアンヌはベリックを伴い、現場(空き教室)へと急いだのだった。