悪役令嬢を期待されたので完璧にやり遂げます!
ジャルダンとロザリーがマリアンヌの非道を訴えるが、生徒会メンバーはしらけムード全開である。
はなから二人の言い分に聞く耳など持っていない彼らは、冷めた目で二人を見ていた。

マリアンヌも困ったように首を傾げてみせながらも、内心では少し楽しんでもいた。

卑怯って、婚約者()がいながら屋上で堂々と待ち合わせをしているジャルダン(あなた)に言われたくないわよね。
それより、さすがロザリー!
想像以上に話を盛ってくれるわ。
階段の上から下って、踊り場の存在はどうなってしまったのかしら。

大袈裟に言えば言うほど嘘っぽくなるということを、いまだに学んでいないロザリー。
しかし、問題は目撃されてしまったアレンである。
すっかり逢引相手だと勘違いされてしまったようだ。

まあ、さっきの状況ではそう見られても仕方がないわね。
アレンめ……。

「はーっ、階段の上から突き落とされてそんなに元気な人間がいるはずないだろう。もう少しマシな嘘をついてくれ。しかも殿下、その階段って屋上に続く例の階段ですよね? ここからどれだけ離れているとお思いですか。マリアンヌは会議が始まる前から着席していたし、そんな場所に行く暇などなかったですよ」
「でも私、見ちゃいました! マリアンヌ様はぁ、ダッサい男と二人っきりで怪し〜い雰囲気でした。あの男とデキてるんですよねぇ~?」
< 39 / 54 >

この作品をシェア

pagetop