若頭は拾い猫を甘やかしたい。
他の生徒たちも続々と教室を出ていって、あっという間に私だけになった。


「重そう…。」


目の前のプリントはかなりの大きさで少し疲れそうな程だ。


…早く終わらせて早く帰って弥生くんに会いたい。


いつもだったら特に急いだりはしないけど今日だけは不思議と足が駆け足になってしまう。


うぅ、やっぱり重い。


でも頑張らないと…。



腕が少しプルプルしてきた頃、やっと目の前に資料室が見えた。

一旦プリントを床に置いて資料室のドアを開けてからまたプリントを持って中へと入ると、




「え。」


「あれ、君…今日倒れかけてた子?」



ちーちゃんが王子だと言っていた人が中にあるソファーのような所で寝転がっていた。


この人、こんな所で何を…。



「はい。その節はすみませんでした。」



なるべく関わりたくないという印象が強いからか、返事が素っ気なくなってしまったけどまぁ良いだろう。


それよりも私は早く弥生くんに会いたいし。



「ね、君ってぼっち姫?」


だけど目の前の王子はまだ話を続けようとしてくる。


しかもぼっち姫って…私のこと?
確かにぼっちだけど、ちーちゃんが居るもん。



「…知りません。」


「あ、そうなの?じゃー名前教えて欲しいな。」


「…失礼します。」



なんだかこの人嫌だ。

本能的に私の脳みそが嫌だと言っている。



ずっと変わらない笑顔を向けてきて、全く目が笑ってないんだもん。


それが少し怖くって背を向けてドアの方へと歩き出そうとすると、後ろからドンっとドアと王子の間に挟まれる形になってしまった。


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