好きを消去する方法
ただ、夢香の唯一の欠点とも言えるのが異性関係だと思う。夢香は恋愛において自由奔放で、交際は三ヶ月以上長続きしたことがない。

だから半年前に、夢香から光輝の押しに負けて付き合ったと聞いた時は、羨ましさと同時に時間の問題だと思った。 


「てか奈々と俺とのこと、夢香知ってんの?」

「言う必要ある?」

私の言葉に光輝が、あははと笑う。

「そう言うとこ、奈々の良いとこって言うか、ラクだわ」

そう、私たちの関係はラクな関係だ。なんだか無性に一人の夜が寂しいときに一晩一緒に過ごすだけ。

私は半年前に夢香にフラれた光輝の話を聞くうちに、お酒の勢いもあり、この恋愛抜きの身体だけというラクな関係に陥ってしまった。

「いこっか」

光輝はそう言うと短くなった煙草を灰皿に押し付け、部屋の電気を消す。

私がベッドに寝転べば、すぐに光輝がパーカーを脱ぎ捨て私に口付ける。

この関係が決して恋愛に紐付くことなんてないのに私はやめられない。

「痛かったら言って」

光輝はいつもそう言ってから行為に及ぶ。

暗闇の中で私に好きな人を重ねるように優しく慈しむように抱く。


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