好きを消去する方法
今夜で終わりにしよう。そう何度も思うのに、抱かれてる間は光輝に愛されてるような気持ちになって、いつか私だけを見てくれるかもしれないなんて、錯覚を起こす。
行為が終わると光輝がいつものように私を覗き込んだ。
「痛くなかった?」
こういうところが夢香といい光輝といい、見た目や言動から推測するよりも憎めない人間だなと思ってしまう。
「光輝いつも聞くけど……別に初めてでもないし、平気だって」
「そっか。喉乾いたよな、水取ってくる」
私は光輝の背中を見ながら、心が痛くて痛くて堪らなくなる。
きっと何度抱かれても、この関係は変わらない。そもそもきっとこの関係は終わりも始まりもない。望むものは何も生まれない。
生まれるのはお互いの寂しさを埋めるだけの空虚な時間。
「どーぞ」
「ありがと」
私は光輝からペットボトルを受け取るとキャップを回す。
ぶちまけられない想いを全部纏めて飲み干してしまえたらラクなのに。