好きを消去する方法
私は水を飲み終えると毛布に包まる。すぐに光輝も隣に寝転んだ。

ベッド横の窓からは月が浮かんでいてなんだか泣き出しそうに見える。

「……なぁ」

「なに?」

「今日で終わりにしよっか」 

光輝の言葉に頭が一瞬だけ真っ白になる。

「……別にいいけど」

「…………」

いつもみたいに軽い感じで言えただろうか。
光輝は何も言わない。

会話の空白に耐えきれなくなった私は口を開いた。

「……光輝って意外と女々しいんだね」

「は? そこは真面目とか、誠実、一途あたり言って欲しいけど?」

「誰が?」

「あーあ。奈々には俺の良さわかって貰えてると思ってたけどなぁ」

「馬鹿でしょ」

「うん。まぁ馬鹿もほどほどにしとかないとなって。あとさ……」

光輝は柔らかい前髪を掻き上げながら私をじっと見つめた。

初めて見る真面目な光輝の顔に心臓が跳ねる。

私は駆け足になった鼓動を押さえつけるように心にもない言葉を口にする。

「何……? キモいんだけど」

「あはは、ごめん。俺の勘違い」

なんの?と聞きたかったけど私は言葉を飲み込んだ。

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