姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 気恥ずかしいがこれが事実だ。フィアンナは驚いたように目を丸くしていた。
「まぁ、なんだ。改めて、これから仲良くやっていけたら嬉しい」
 そう言って、落ち着かなさを誤魔化すようにカップに残るお茶を飲み干した。
「え、ええ! そうね、せっかく縁あって、こういう形で再会したんだもの。仲良くやっていきましょう」
 フィアンナも照れたように少し早口で答えた。その後で、彼女はなにかに納得したように小さく頷く。
「でも、そっか。愛馬で駆けていくあなたを見た時、どこか懐かしいような気がしたの。思い出すまではいかなかったけど、そういうことだったのね」
「ん? 俺を見ていたのか……?」
 フィアンナのカップにお茶のお代わりを注いでいた俺は、思わず手を止めて彼女を凝視した。
「ええ。離宮の二階の窓から、ちょうど厩が見えるの。部下の人たちを引き連れて、先陣切って走っていくあなたの姿を何度も見たわ」
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