姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 十二年前の状況からも、彼女が母国で虐げられた暮らしを余儀なくされていたのは分かっているが……。
「そこなんだ。ずばり聞くが、君はなぜ阿呆なふりを? 花嫁行列でのあの行動にはどんな理由があった?」
「私が、父が戯れに手を付けた下女の生んだ子なのはもう知っている?」
「ああ、すまないが調べさせてもらった」
「それなら話は早いわ。そういう事情で幼少期から存在を無視するように離宮に押し込まれていたんだけど、姉たちからちょっかいをかけられていて。それを躱すのに阿呆のふりが一番都合がよかったの。川での一件は……」
 俺の答えに気を悪くした様子もなく続きを話していた彼女が、ここで不自然に言葉を途切れさせる。
 なんだ?
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