姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「ふふふっ、一個で十分よ。でもそうね、もしサンドイッチを食べた後にお腹に余裕があったら、伸びるアイスクリームも買ってもらっちゃおうかしら」
「それは絶対に腹に余力がなくとも買おう。ひと口味を見るだけでもいい。残ったらいくらでも俺が引き受けられるからな」
「いいわね!」
私たちは微笑み合い、サンドイッチの露店へと足を向けた。
「お、おふたりさんデートかい? いいねぇ!」
露店に着くと、前に並んでいた気の良さそうなおじさんが気さくに話しかけてきた。
ジンガルドがおじさんになにか言葉を返している。その横で私はひとり首をかしげていた。
デート? いや、私たちはただ街歩きに出てきただけで……あれ? 手を繋いで市場を歩いて、食べ歩きして……たしかに、これはデート以外のなにものでもない。
指摘されて初めて、これが私にとって人生で初めてのデートだと意識する。カァッと頬が火照って、急にそわそわしてしまう。
「どうかしたか?」
「それは絶対に腹に余力がなくとも買おう。ひと口味を見るだけでもいい。残ったらいくらでも俺が引き受けられるからな」
「いいわね!」
私たちは微笑み合い、サンドイッチの露店へと足を向けた。
「お、おふたりさんデートかい? いいねぇ!」
露店に着くと、前に並んでいた気の良さそうなおじさんが気さくに話しかけてきた。
ジンガルドがおじさんになにか言葉を返している。その横で私はひとり首をかしげていた。
デート? いや、私たちはただ街歩きに出てきただけで……あれ? 手を繋いで市場を歩いて、食べ歩きして……たしかに、これはデート以外のなにものでもない。
指摘されて初めて、これが私にとって人生で初めてのデートだと意識する。カァッと頬が火照って、急にそわそわしてしまう。
「どうかしたか?」