姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「──それでね、授業とは別日にドロシー先生と一緒にフラワーリースを作ることになったの。楽しみだわ」
 ドロシーはフィアンナに付けた教師だ。初日にしてすっかり打ち解けたようで安堵したのも束の間、花たちがフィアンナの言葉に応えるように花弁と緑の葉を揺らすのを見て息をのむ。まるで今にでも「よかったね」と言っている花たちの声が聞こえてきそうだ。
 ……いや。フィアンナの耳には、彼らの声が届いているのかもしれない。
 フィアンナは花たちに向かって一層笑みを深くし、花たちはより瑞々しく、美しく咲きこぼれる。
 花々に囲まれて微笑む様子はいっそ神々しいほど。まさに。
「光の神に愛された乙女だな」
 まばゆい光景に目を細めつつ、思わず感嘆の吐息と共にこぼした。
 刹那、フィアンナがピクッと肩を揺らして振り返る。俺と彼女の目線が絡んだ──。
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