姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「無礼どころか、私の方こそ不躾に眺めてしまってすみません! サドニア神聖王国第四王女フィアンナです。実は、ドロシー先生が知っている誰かに似ているような気がして。それでつい、まじまじ見てしまい……」
 一気に正気に戻った私は、しどろもどろに白状しながら、これは初っ端からやらかしてしまったと内心で頭を抱える。
 その一方、このやらかしで肩の力が抜けて、いい意味で吹っ切れた。真っ直ぐに先生の柔らかな栗色の瞳を見ながらさらに続ける。
「あの、今さら取り繕ってもますますボロが出るだけなので、恥を忍んで言いますね。七カ月後には、私は皇妃になります。ですが現状、カーテシーや挨拶ひとつまともにできません。七カ月後の挙式でジンガルドの面目を潰さずに、隣に並び立つことが目標です」
 先生は驚いたように目を瞠り、次いでふわりと微笑んだ。
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