姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「実を申しますとフィアンナ様のことは、生前の祖父母から『唯一の心残り』だと常々聞かされておりましたの。私自身なにか助けになれないかと思いつつ、手を差し伸べる術も分からぬままズルズルときてしまいました……」
 ドロシー先生はやるせなさを滲ませるが、相手は国を跨いでいる上に他国の王族。これに関して、先生が後悔する必要はまったくない。
 私がそんなことを口にしようとするより一瞬早く、先生が先ほどまでとは一転、目をキラリと輝かせながら語りだす。
「そこにいただいたのが今回のお話だったのです! 陛下からお聞きした時はもう、嬉しさで胸が詰まりました。『ぜひ私にやらせてください』と勢いよく立ち上がりながら叫んでしまったものですから、陛下と夫を大層驚かせてしまいましたわ」
「ドロシー先生……」
「フィアンナ様、及ばずながらお力にならせてくださいませ」
「嬉しいです! それに、すごく心強いです! ドロシー先生、これからよろしくお願いします!」
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