姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「フィアンナ! よもやこの父を見捨てる気ではあるまいな!? おい、フィアンナ! 聞いているのか!?」
 その一室に入っての第一声がこれである。
 さらに第一王女と第二王女が鼻息荒く言い募る。
「食べるに困っていたあなたに、私はお茶会の残りのチョコレートやクッキーだってあげたでしょう?」
「そうよ! あなた、嬉しそうにしていたわよね!? 忘れちゃったの!?」
 フィアンナは誰になにを言われてもにやにやと笑うばかり。
 結局、俺が国王らにすべての沙汰を言い渡し、王国騎士団にその身柄を任せて部屋を出るまで、彼女はひとことも口を開かなかった。
「恨みごとのひとつも言わず、笑って流してやった君は立派だな。俺は奴らの戯言に、はらわたが煮えくり返りそうだったぞ」
 無血開城を成し遂げ、王家への処遇もすべて方が付いた俺たちは、調整系の能力に長けた第二部隊を事後処理のためサドニア神聖王国に残し、他はタイラント帝国に引き上げることを決めた。
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