姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「共同開発区域で投降を促した後、勝手に権利の保証や共同統治まで明言しちゃったでしょう? 前にあなたが『君の意思を尊重する』って言ってくれていたのに甘えた恰好なんだけど。さすがに相談もなしに突っ走っちゃった自覚はあるの。ごめんなさい」
「そんなのは謝ることじゃない。むしろ俺はまた君に惚れ直したぞ」
 きょとんとした顔の彼女に、俺はさらに続ける。
「皇帝たる俺と同じ視点でものを見て、考える。我が妃の頼もしい姿に見惚れた。君はいったい、どれだけ俺を夢中にさせれば気が済むんだ」
「えぇっ?」
「さらに言えば、君は俺たちふたりの子のひとりに、サドニア神聖王国の名と国土を継がせる可能性まで考えていたのだろう?」
「っ、うん。その通りよ」
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