姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 星々の清廉な光に背中を押され、素直な心を伝えたら、ジンガルドは目を瞠った。
「あっ!」
 次の瞬間、私は彼の胸にきつく抱きしめられ、唇を奪われていた。隙間なく合わせられ、何度も角度を変えながら、口付けが深まっていく。まともに呼吸ができなくて、いよいよ息が限界に差し掛かったところで、ようやく口付けが解かれた。
 息も絶え絶えの私を、ジンガルドが隠し切れない情欲に濡れた目で見下ろしていた。
「もう、一生離すものか。愛してる、フィアンナ」
 熱い吐息と一緒にこぼされた低い囁きが耳を打つ。
 逃がさないとでもいうように、腰に回されたままの腕にグッと力が籠もる。彼の独占欲と執着が、否応なしに心と体を高める。不安と恐れ、それを上回る期待と興奮にぶるりと震えた。
「嬉しい。絶対に離さないでね」
 甘えるように広い胸に頭を寄せたら、頭上で息をのむ気配がした。直後に体がふわりと浮き上がり、足が宙を蹴る。
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