姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 ジンガルドへの圧倒的な愛おしさと求められる喜びに震えながら微笑んだ。
「すまない。ゆっくりする」
 ジンガルドが緩く律動を刻みだす。
 淫芽で上りつめた時のような鋭い快感はなかったが、ジンガルドと抱き合って同じ頂を目指す一体感が私の心と体を高めた。
「フィアンナ……!」
「っ、ジンガルド!」
 最後の瞬間はジンガルドと口付けながら固く抱き合い、真っ白な世界に投げ出された。
 情交を終えた後も、深く重い愉悦が長く全身を包んでいた。私とジンガルドは抱き合ったまま、互いの温もりを分け合いながら心地いい情事の余韻に揺蕩う。
「すまない、無理をさせてしまったな」
 微睡む私の耳もとでジンガルドが囁いた。
「ううん、こんな幸せがあるなんて知らなかった。ジンガルド、大好きよ」
 彼がぐぅと唸る声が聞こえたような聞こえなかったような。心地よい疲労感に押し流されて、私の意識は深い眠りの世界に漂い込んだ。
 こうして私とジンガルドの、長く幸せな一日が幕を下ろしたのだった──。
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