姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「あたぼうよ、乗んな!」
「やったぁ! ありがとう!」
おじちゃんが喜ぶだろうと思い、用意していた『幸運を呼ぶ赤い薔薇』を渡して荷台に乗り込むと、馬車がゆっくりと走りだす。ガタガタという振動を心地よく感じながら、久しぶりの外出に心が踊る。
この三カ月間、想定通りジンガルドの訪問は一度もない。たまたま今日は月に一回設けられている交流日にあたっていたが、午前中の内に宰相のオズモルトさんから政務の多忙を理由に欠席を伝えられている。オズモルトさんは申し訳なさそうに頭を下げていたが、正直なところ今さら来られた方が困る。
私も、当初はジンガルドに本当の私を分かってもらった上で、夫婦としてやっていけたらいいなと考えていた。けれど、ジンガルドの遊び癖を知った今、彼に分かってもらいたいとは思わない。
……というか、遊び人の男は生理的に無理! むしろ、ずっと阿呆な王女の認識のままでいて!
内心で叫んだ。
「やったぁ! ありがとう!」
おじちゃんが喜ぶだろうと思い、用意していた『幸運を呼ぶ赤い薔薇』を渡して荷台に乗り込むと、馬車がゆっくりと走りだす。ガタガタという振動を心地よく感じながら、久しぶりの外出に心が踊る。
この三カ月間、想定通りジンガルドの訪問は一度もない。たまたま今日は月に一回設けられている交流日にあたっていたが、午前中の内に宰相のオズモルトさんから政務の多忙を理由に欠席を伝えられている。オズモルトさんは申し訳なさそうに頭を下げていたが、正直なところ今さら来られた方が困る。
私も、当初はジンガルドに本当の私を分かってもらった上で、夫婦としてやっていけたらいいなと考えていた。けれど、ジンガルドの遊び癖を知った今、彼に分かってもらいたいとは思わない。
……というか、遊び人の男は生理的に無理! むしろ、ずっと阿呆な王女の認識のままでいて!
内心で叫んだ。