姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「ええと、陛下といきなり夫婦というのはその、少しハードルが高いです。お互いを知るところから始めてもいいですか?」
私の答えにジンガルドは白い歯をこぼし、王子様がお姫様にでもするように、恭しく手を取った。
いかつい体格の強面と優雅な所作とのギャップにどぎまぎする。
「もちろんだ。俺も君のことが知りたい。それから、俺のことはジンガルドと。言葉遣いも、他の目のない場所では堅苦しくしなくていい。君との会話をもっと気軽に楽しみたいんだ」
「分かったわ、ジンガルドね」
私が名前を呼ぶと、ジンガルドが金の瞳を細くして笑う。
っ! ドクンと鼓動が跳ねる。不意打ちのように見せられた甘い微笑みが、私を落ち着かなくさせる。
「私も、フィアンナと呼んで」
十二年前は、ひとりぼっちの寂しさから杏奈が顔を出し、少年のジンガルドと束の間時間を過ごした。だけど夫として私の前に立つ彼と向き合うのは、今世を生きるフィアンナだ。
私の答えにジンガルドは白い歯をこぼし、王子様がお姫様にでもするように、恭しく手を取った。
いかつい体格の強面と優雅な所作とのギャップにどぎまぎする。
「もちろんだ。俺も君のことが知りたい。それから、俺のことはジンガルドと。言葉遣いも、他の目のない場所では堅苦しくしなくていい。君との会話をもっと気軽に楽しみたいんだ」
「分かったわ、ジンガルドね」
私が名前を呼ぶと、ジンガルドが金の瞳を細くして笑う。
っ! ドクンと鼓動が跳ねる。不意打ちのように見せられた甘い微笑みが、私を落ち着かなくさせる。
「私も、フィアンナと呼んで」
十二年前は、ひとりぼっちの寂しさから杏奈が顔を出し、少年のジンガルドと束の間時間を過ごした。だけど夫として私の前に立つ彼と向き合うのは、今世を生きるフィアンナだ。