すべてはあの花のために④
「やっぱりお嫁に来てもらいましょう!」
「絶対杜真にものにしてもらわないとね!」
「ええー?!」
それからしばらく二人からの息子自慢を聞かされた後、たくさん写真を見せてもらった挙げ句、たくさんもらって帰ることに。
「ほっ、本当に、こんなにいいんですかっ?」
「もちろん。実は紅李さんから、葵ちゃんが小さい頃のみんなの写真を集めてるって聞いててね。今度会う時は絶対あげようねって決めてたんだ」
「その写真たちも、人に見てもらえる方が嬉しいと思うし、葵ちゃんなら大事に持っていてくれるでしょう?」
「ねー」と言い合う二人は、とても仲睦まじかった。
その様子を一度羨望の眼差しで見つめた葵は、手元へやってきたたくさんの写真へと視線を落とす。そして、そっと抱き締めた。大切に、大事に。彼らのこの先を願いながら。