ことりは優しく癒される

「やあ、結城。なんだか久しぶりだな」

「そうだね。元気にしてた?」


 いつも通り普通に会話ができている。よかった。


「そうだ、このあいだはお饅頭ありがとう。美味しかったよ」

「あれ旨いよな。明美にお店の近く通るって言ったら結城の分も買ってきてってお願いされてさ。一時間も並んじゃったよ。でも、喜んでくれたら並んだ甲斐もあったかな」

「うん、嬉しかった。ありがとう。……それより婚約したんだってね。おめでとう」


 少し棒読みになってしまったかもしれない。


「はは、ありがとう。このあいだ明美が結城に言ったって聞いたから、いつか俺も報告しなきゃなって思ってたんだ」

「そっか。気にかけてくれてありがとうね。またお祝いしたいから同期会するね」

「それは嬉しいな」


 本当に嬉しそうに笑う安達。
 きっと私じゃこんな笑顔は引き出せなかった……。


「……あのさ、安達。これから言うこと、半分冗談だと思って聞いて欲しいんだけど」

「え、なに?」


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