ことりは優しく癒される

 昼休憩にひとり自席に座り、ぼーっとお饅頭を見つめる。


 真嶋さんに「一緒にランチ行きませんか?」と誘われたのに、申し訳ないけれどどうしても行ける気がせず断った。


 社内の自販機で買った紙パックの野菜ジュースにストローを刺して口にする。
 けれど、すぐさま紙パックを置いてスマホを手にした。


 スライドしてタップする。


『午後七時、駅前のカフェでよろしく』


 そうメッセージを打って、羽村に送った。
 するとすぐに反応があり『了解』とだけ返事がくる。


 私は唇を噛み締め、休憩時間もそこそこにパソコン画面に集中するしかなかった。






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