うしろの正面だーあれ



コンコン・・



『咲子、このままでいいから話をしよう。』



父親が咲子の部屋を訪ねた。



『学校で何かあったのか?』



部屋ごしに話す父親。



『………………。』



何も言わない娘。



『もしかして、いじめ…か?』



『………………。』



『何か言ってくれないと、お父さん 分からないぞ?』






“伝えないと伝わらない”



ホームレスの言葉が頭をかすめた。



『…うん。』



『咲子?』



『私…いじめられてる…。』



咲子は、消えそうな か細い声で囁いた。



『そうか…。よく言ったな。』



『お母さんには言わないでっ…!』



『どうして?』



『…悲しませたくない。』



『…そうか、分かった。
でも、辛くなったらすぐに言うんだぞ?』



『うん…。』



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