うしろの正面だーあれ
担任…いや、この男性教師は元々は副担任だったのだが。
担任は未だ入院中。
すっかり気力を失ってしまったようだ。
今でも錯乱状態で、独り言をブツブツと言っているらしい。
だが、咲子にとっては担任の方がずっと好きだった。
それは、彼女がいじめを誰より嫌っていたからである。
昔の隆史によるいじめは、彼の素直になれない性格を知っていたため、彼女は何も言わなかった。
ただ見守っていたのである。
担任の先生が今、帰ってきてくれたなら…私を助けてくれるかもしれないのになぁ…。
そんなことを思いながら、咲子はひとつ溜め息をついた。