うしろの正面だーあれ
小型ライトで痛む箇所を照らす。
オレンジ色の淡い光が無数の傷を照らし出す。
『うわ…痛…
今まで痛くなかった所まで痛くなってきた…。』
人間というのは おかしなもので、傷を見た瞬間に痛くなってくる。
咲子は、見なければ良かったと少し後悔した。
だが、いつまでも こうしては いられない。
きっと家族も心配している。
咲子は迷いながらも、小さな光を頼りに脱出を試みた。
しかし、裏山を知り尽しているとはいえ、真っ暗で、しかも いつも遊んでいた場所からは ほど遠い。
歩けども歩けども、出口は見つからない。
虫の声や蛙の声にビクビクしながら、咲子は滲み出る涙を拭った。