うしろの正面だーあれ



翌日――



『お母さん、おはよう。』



『おはよう、咲子。
今日も お見舞い行くの?』



『ううん。今日は行かないよ。』



『そう。じゃあ、お母さんと話 しよっか。』



『え?』



咲子は思った。



昨日のことを聞かれると。



頭の中で色んな言い訳を考える。



“道に迷っちゃって”



“キツネに騙されちゃって”



“裏山、懐かしいなって思って”



“うっかり転んじゃって”



いくら考えても、しっくりこない。



咲子は焦った。



突き落とされたのがバレて、母親が学校に訴えにでも行ったとしたら、間違いなく“あのこと”もバラされる。



彼女達は知っているのだ…。



隠し通さなければならない…



なんとしても。



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