うしろの正面だーあれ
『…さっ、じゃあ自己紹介は止めにして!えっと…プリント!配るね!』
先生は涙を誤魔化して明るく振る舞った。
その明るい鼻声がすごく切なくて…
咲子は胸が苦しくなった。
先生が配っているプリントは学級通信で、そこには先生の自己紹介文が載っていた。
『ひゅ〜♪』
『ちょっと…!やめなさい!』
咲子が顔を上げると、杏奈と早織が学級通信を紙飛行機にして飛ばしていた。
先生も、さっきのことで2人の絶対的な権力は身をもって知っている。
だから怒るに怒れない。
冗談っぽく、半笑いでしか注意出来ない。
『ほら…ね?
ちゃんと、お家の人に渡して?』
『キャハハ!』
杏奈と早織の甲高い笑い声が教室に響く。
彼女は 酷いクラスを持ってしまったと、このとき やっと確信した。