うしろの正面だーあれ
佐和が2年生のときに、母親は亡くなったのだ。
だから、この体操服入れは佐和にとって唯一の、母親の形見なのだ。
それを燃やそうとしている。
この2人の悪魔が…。
『返して!!!』
佐和は、怯えていたことも忘れて無我夢中で取り返そうとした。
母が作ってくれた宝物を。
しかし、相手が悪かった。
あっけなく、体操服入れごと焼却炉へと放り込まれてしまった。
しかし、佐和も必死なのだ。
ゴウゴウと燃える焼却炉の中へと、その小さな手を突っ込んだ。