うしろの正面だーあれ
サカエは いきなり筆箱に入っていたカッターを取り出した。
図工でカッターが必要だったのだ。
だからカッターは常備してあった。
そんな緊急事態にもクラスの態度は変わらない。
“うわっ マジうぜぇんだけどー。”
“死ぬなら さっさと死ねよ!”
“お前が死んだって誰も悲しまねぇよ!”
“てか、死んでもいいけど ここで死ぬのは勘弁してよね〜。教室、汚れちゃうじゃん?”
麻痺してしまったのだろうか。
それとも、心に棲む悪魔が目を醒ましたのだろうか。
人が死ぬということに、彼らはもう何も感じない――…
『死んじゃダメ。』