うしろの正面だーあれ



その言葉は真剣で。



“楓”と呼ぶ声も力強くて。



タケルから目が離せなかった。



ああ、タケルは男なのだと、初めて意識した瞬間。






『…えで?』



『楓!』



隆史の声に驚いて、楓は小さく肩を揺らした。



『あっ… ごめんっ…!』



『いや、いいけど。
…それで?答えは?』



『…好き。』



『…男として?』



『うん。
タケちゃんが好き。大好き!』



そう言い切った途端、楓の顔から炎が上がった。



茹で蛸のように赤くなる楓は、よっぽど恥ずかしかったのだろう、顔だけでなく耳まで真っ赤だ。



そんな楓の様子を、愛おしいものでも見るように、隆史は優しく微笑んでいた。



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