うしろの正面だーあれ



タケルの返事も聞かぬまま月日は過ぎて、数名の死者と入院患者が出た後の杏奈と早織による独裁が始まった頃。



楓は自己嫌悪に陥ることになる。



自らが嫌だと言った傍観者に、自分はなってしまったのだ。



体育でペアを組もうと言った咲子の願いも聞いてやれず、佐和に疑いがかかったときも何も出来なかった。



そのときは ただ出来事を傍観するだけで、終わってから行動を起こす。



それでさえ人任せなのだ。



隆史や早織に説明して、何とか解ってもらった。



自分は なんて卑怯なのだろう。



自分が標的にならないよう、細心の注意を払って…



自分が拒否したタケルの言葉を忠実に守っている。



そんな自分がひどく嫌だった。



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