うしろの正面だーあれ
ガラッ
『おっはよー!』
教室に入ってきた杏奈は、誰が見ても ご機嫌なようだ。
杏奈の機嫌が良いときは大抵 平和に過ごせるため、みんなはホッとした表情を見せた。
しかし、杏奈の機嫌を損なわないためには細心の注意を払わなければならない。
と言っても、彼女は案外 単純なため、多少のことは機嫌の良さでカバーし、大目に見てくれるので問題ない。
問題は、その他大勢ではなく一部の人間である。
その他大勢にとっては、本当に平和な1日だった。
しかし、一部の人間
楓とタケル。
そして、その2人の想いを知る隆史にとっては、今日という日を ただの何気ない1日として過ごすことは難しかった。