うしろの正面だーあれ



その言葉に、隆史は一瞬 停止する。



『分…かってるって…
分かってねぇだろ…?』



『分かってる。』



同じ言葉を繰り返すタケル。



『分かってねぇよ…。かえ…』



言いかけた隆史の口は塞がれた。



隆史の左頬に入った拳によって。



ガタタ・・



隆史の体が机をずらし、椅子を倒す。



教室は、少女達の悲鳴によって騒がしくなる。



その騒ぎを聞き付けた教師が教室に入るなり、『何の騒ぎだ!?』と怒鳴った。



一瞬にして静まり返る教室。



隆史は隆史で反撃に出ようともしない。



何が起こったのか解らないとでもいうような目で、ただただタケルを見ていた。



そんな隆史を、静かな、しかし強い眼差しで見つめているのはタケルであった。



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