うしろの正面だーあれ
チィ・・チィ・・
『そうだ!
名前、チィコにしよう!』
子どもらしい安易な名前をつけられた彼女は、そのネーミングセンスに文句も言えず、ただチィチィと反論した。
しかし、その行為は逆に『チィコと名付けられて喜んでいる』と解釈されたようだ。
必死の反論も虚しく、彼女は『チィコ』と名付けられた。
タケルは、ずっと鳥籠の前でチィコを眺めていた。
何時間 見ていても飽きなかった。
しまいには鳥籠の前で寝るとまで言い出した。
父も母も困った顔をしたが、生き生きとした息子の表情に、『しょうがないなぁ』という顔をして、鳥籠の前で寝ることを許したのだった。
パチッ・・
電気を消しても、チィコは落ち着かないのか狭い鳥籠の中を飛び回っている。
その音が、タケルにとっては無償に罪悪感を感じてならなかった。