うしろの正面だーあれ
『あの…』
『何や。』
『…セイジさんは高校とか行ってないんですか?』
『行ってへんよ。
…色々あって、荒れててなぁ。
シンナー吸ぅてるときにジョージさんに会ぅたんや。』
『へぇ…。』
『俺、ほんまアホやったから、本物のヤクザのジョージさんにも つっかかっていってなぁ。
ジョージさんじゃなくて他のヤクザやったら殴られたと思うわ。』
『………………。』
『シンナー取り上げて、「こんなん吸うもんちゃう。」て。
普通の人が言ぅても説得力無いんやろうけど、ジョージさんが言ぅたら妙に説得力あってな。
「俺はヤクやって脳みそスカスカになって死んでいった奴 知っとるんや。」って…。
ドスの効いた声で、せやけど妙に優しい声やった。』
『それで この世界に?』
『ああ、俺には捨てるもんも失うもんも何も無かったし、行くとこも あらへんかった。
…まぁ、要するにジョージさんに拾われたっちゅうこっちゃ!』
そう言って、セイジさんはニカッと笑った。
その笑顔は、どこか眩しくて。
俺は、闇に咲く向日葵も在るのだと、このとき初めて思った。