うしろの正面だーあれ



『何で今 強がらないんだよ!
俺はお前のこと、ずっと見てきた。今まで ずっと強がってきたじゃねぇか!何で今 甘えんだよ!…今 強がんねぇでどうすんだ!しっかりしろ沙良!』



あたしは稚早の腕によって引き剥がされた。



この人は、あたしを受け入れてくれない。



甘えることを、許さない。



『弱いなら強がれよ。
最後まで強がれよ…!』



稚早は、あたしの瞳を真っ直ぐ見て言った。



同時に涙が溢れた。



…ああ、稚早は本当にあたしを見てくれてるんだなぁ。



心の底からあたしのことを想ってくれている。



あたしの為を思って、そんな辛いことを言ってくれるんでしょう…?



…そうだね、稚早。



あたし、頑張らなくちゃね。



本当は弱くても、最後まで強がったなら、それは強さに繋がるのかな。



稚早、あたし頑張るからさ。



限界が来たら、甘えてもいい?



それまで、あたしは狼のフリをするよ。



中身が羊だってことを知ってるのは、稚早だけだから。



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