うしろの正面だーあれ
『…お嬢ちゃん。
ワシが女に手 出せへんから良かったけどなぁ、男やったら殴っとったで。…未衣は何もしてへん。こっちの世界に誘ったんはワシや。…でもまぁ、こっちの世界に入ったんはコイツの意志や。』
『憂… 嘘でしょ…?』
沙良の瞳が益々 揺れる。
『嘘じゃねぇ。』
俺が言うと、今まで黙っていた稚早も口を開いた。
『やめとけって!何やらされるか分かんねぇぞ!
こっちに戻って来たくたって戻って来れねぇかもしれねんだぞ!?』
『…それでも、そっちの世界には戻りたくねんだよ。
もう懲り懲りなんだ…。』
『憂…。』
俺はジョージさんのゴツイ手で肩を優しく押され、闇の世界へと舞い戻った。
セイジさんも優しい笑顔で迎え入れてくれた。
闇は、必死に綺麗な色で自分を纏わなくても良い。
黒い自分を隠さなくても闇に溶けこむから。
闇が冷たいのは、ずっと此処に居ちゃダメだよ、の証。
今は、熱った心を冷やして――…