うしろの正面だーあれ



『ママ、こいつに温かいもん食わしたって。』



ジョージさんが言うと、かなり化粧の濃いオバサンが、しわがれた声で『あら、可愛い子♪』と言ったので、俺は鳥肌が立った。



茶色くて長いチリチリの髪に、紫のアイシャドウ。



バッサバサの まつげに、すげぇ鼻筋。



いつの時代の化粧だよって感じの化粧。



でも、バー自体は結構いい感じの雰囲気。



薄暗いのが落ち着く。



『…はい、おにぎり。』



そう言って、ママさんは俺を見つめながら、手に付いた米粒をいやらしく食べた。



…ので、また鳥肌が立った。



『い…ただきます…。』



恐る恐る口にすると、おにぎりは意外にも美味しくて。



温かさが伝わってきた。



こんなに温かいものを食べたのは何年ぶりだろう。



叔母さんの作る料理は、嘘が入ってたから。



偽の愛情が、入っていたから…。



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