うしろの正面だーあれ
俺は沙良に教えてやらなかった。
ジョージさんの頭を下げた理由。
頭を下げることの意味。
誰かを守る為に頭を下げることの かっこよさ。
そんな心の底に秘められた想いを感じようともせず、表面上の行為だけで『ダサい』と言った沙良を許せなかった。
『すまんなぁ、うちんとこの憂が。』
振り返ると、そこにはジョージさんと、ボロボロになったセイジさんが居た。
『…は?何言ってんの…?
憂はあたし達の憂だよっ!』
『…まぁどっちでもええけど、そっちの世界から逃げ出してきたんは そっちの世界の何かが嫌になったっちゅうこっちゃ。…せやろ?』
『そっちの世界…って…
あの娘…未衣でしょ!?
あの娘も大阪弁だったし…
口車に乗せられて、こんな世界に堕とされたのよ!!
全部あの娘のせいよ!!!』
『沙良!!!』
俺の怒声に肩を揺らした沙良は、揺れる瞳で俺を見ると、黙って俯いた。