うしろの正面だーあれ
だんだん声色にも変化が出てきて。
俺の、そっけない態度や愛想のない返事に対する苛立ちを押し堪えたような声。
怒ればいいのに、俺は叔母さんに怒られた記憶は一度しか無い。
…あの日、両親が俺達を預ける代わりに大金を置いていったことを暴露されたとき。
その大金を手に入れる為の条件も、狂ったように笑いながら聞かされた。
俺に対して限界だったのだろう。
俺は、そこまで叔母さんを追い詰めてしまったのだ。
だけど、苦しいのは叔母さんだけじゃない。
俺だって苦しかったんだ。
窮屈すぎる程 窮屈な家に閉じ込められて、仮面家族のような団欒を強制される。
そんな毎日にハゲそうだった。
ハゲそうなくらい、苛立ちが収まらなかった。