うしろの正面だーあれ
『ひとつだけ言ぅとくわ。』
不意にジョージさんが言った。
『お前の世話は見たるけど、お前は俺らには踏み込んでくんなよ。』
『え…?』
俺は訳が解らず子首を傾げると、ジョージさんは煙草に火を着け、ジッポをカチン・・カチン・・と鳴らしながら続けた。
『お前は黒く染まんな。
もっかい花咲かせや。』
『………………。』
『黒ぉなったらな、キャンバスが乾くまで他の色は塗られへんねや。』
キャンバス…。
やっぱロマンチストだ この人。
『お前の年で黒に染まったらな、乾くまでに時間がかかり過ぎるんや。乾いて白 塗っても、ちゃんと白ぉなる見込みもあらへんしな。』
『………………。』
『分かったら返事ぐらいせぇアホ!』
そう言って、ジョージさんは くしゃっと俺の髪を触った。
『…はい。』
俺は少し照れながら、小さく返事した。