うしろの正面だーあれ
いや、今になって思えば、高校受験を控えた俺の為を思って一度 家に帰したんだけど。
そのときの俺にとっては、あの家に帰ることは絶望を意味した。
光が、無かったんだ。
あの環境に、光が、無かった。
親代わりの、2人の偽の愛情。
俺を可哀想な目で見る、兄貴。
兄貴に全ての愛情を注ぐ2人。
唯一の光だった沙良も、兄貴に取られ。
挙句の果てには兄貴よりも稚早を選んだ沙良。
そんな環境の、一体 何処に光があるというのだ。
学校も、俺にとっては必要ない。
勉強が出来る人には必要かもしれないけど、俺は出来ない。
『お前はやれば出来るんだから…。』って言われる奴が、どれくらい居るだろう。
そんな奴らは、出来ない者に出来ないものを強制されても困る、だなんて思っているのだろうか。
分かってねぇな、自分が幸せ者だってこと。
俺は、それさえも言ってもらえないのだから。