うしろの正面だーあれ



『憂ちゃん…ごめんなさい…。
あなたが出て行ってから、ずっと後悔してたの…。』



後悔なんか、今更…



『嘘よ…。』



『…え?』



叔母さんの口から出た、“嘘”の意味が解らず、俺は目を見張った。



『嘘なの…。大金目当てであなた達を育ててるなんて嘘よぉ…!』



嘘…?



あれが演技だっていうのか…?



あんな…叔母さんを?



まさか。



演技じゃなかった…はず…。



『あなた達と引き換えに大金をもらってるのは本当よ。
…でも、こんなこと、言うつもりなんて無かった…。』



…ほら。



嘘なんかじゃなかった。



これも大金を逃さない為の作戦…



『悔しかったのよ…。』



『…え?』



『あなたの両親が、私達に大金を預けたこと…。
私達に、2人の子どもを養う経済力なんて無いんだろうって言われてるみたいで…。』



『叔母さん…。』



『…だから、あなた達の両親が預けたお金…養育費や生活費も含めてね、一切 手をつけてないわ。』



『………………。』



その言葉、その瞳、その表情に、嘘偽りは無かった。



< 450 / 675 >

この作品をシェア

pagetop