うしろの正面だーあれ



「…さぁ、もういいよ。憂くんのお見舞いに行っておいで。
病室に移されたみたいだよ。
まだ個室だけどね…。」



その言葉に隠された2つの意味。



状態が落ち着いた為に、ICUから病室に移されたこと。



もう1つは、数名の患者が共同で使う大部屋ではなく、個室であること。



それは、憂の状態が芳(カンバ)しくないことを意味していた。



そんな2つの意味を一瞬で解した沙良は、少し複雑な笑みを見せ、刑事に軽く会釈した。






ナースステーションで憂の病室を訊き、道に迷いながらもなんとか辿り着いた。



病室の前で少し躊躇ったが、やがて扉の引き戸に手を掛けた。



< 513 / 675 >

この作品をシェア

pagetop