うしろの正面だーあれ



「どういう…こと…?」



咲子は隆史から体を離し、揺れる瞳で彼を見つめた。



「二度と会えないって何…?」



咲子の瞳からは、今にも涙が溢れそうだ。



「何か言ってよ…!隆史くんっ…!」



「ごめん…今は言えない…。
全部書いてるから…手紙に。」



「何でっ… 何でよぉっ…!」



咲子はその場にうずくまった。






感じていたのだろう、嘘ではないと。



彼だからこそ…、自分に対しては決して嘘をつかない彼だからこそ、彼の口から出る言葉に嘘は無いと。



…だからこそ、今回だけは嘘であると信じたいと…。



そんな微かな希望さえ、彼の顔を見れば打ち砕かれてしまうのだ。



嘘ではない…と。



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